介護療養型医療施設の新しい受け皿とは?

介護療養型医療施設は、高齢者施設の中でも最も医療ケアが充実しており、利用者100名に対して3名の医師が配置されています。介護療養病床と医療療養病床の2種類がある公的な施設で、前者は介護保険で後者は医療保険で入居することができます。この施設は、長期的に医療療養が必要な高齢者をケアする目的で設置されました。本来なら、医療が必要なくなった時点で退去するのが決まりですが、介護や医療を受ける期間は長期に及びがちです。そのため、高齢化社会を迎えた日本では入居を希望する高齢者は増加し続けており、これに伴い、施設が不足したり国の財政を圧迫する問題が表面化してきました。

介護療養型医療施設を主に運営しているのは医療機関ですが、国が調査を行った結果、利用者の状況の変化は介護療養病床でも医療療養病床でも大差がないことが分かりました。この結果を受け、厚生労働省は介護療養型医療施設を廃止して、新たな受け皿になる介護医療院の設置を決定しました。介護医療院の特徴として、常に医療ケアが必要な長期療養を目的とする要介護者の受け入れ、生活の場としての役割、ターミナルケアの提供などが挙げられます。この新しい施設は、容体が安定しており介護や医療ケアの必要性が低い利用者向けと、容体が急変する心配のある利用者向けの2通りの施設に分かれます。公的施設は介護保険が適用されるので多くの人が望んでいますが、より良いサービスを受けるには新しい施設の特徴を理解することが大切です。また働く側としても、介護医療院とはどういった施設なのか把握しておくといいでしょう。